はじめに
どうも、なるです。
うつ病になると、マイナス思考にとらわれ、自己批判が強くなってしまうことがあります。
「仕事に行けない」「恋人もいない」「友人もいない」…そんな自分は、人より劣っているのではないか。
私もかつて、そう考えていました。
しかし、その思考の癖こそが、「認知の歪み」と呼ばれるものであり、改善することで自己評価を確立できるのです。
認知の歪みを認識する。そして、その思考の癖を改善して自己評価を確立するヒントが「いやな気分よ さようなら」という本にありました。
どのような本なのか?
帯にも記載があるとおり、「うつ病」のバイブルと言われており、著者で精神科医でもあるデビッド・D・バーンズ氏が自身の治療体験を元に「認知行動療法」について解説している本です。
英語で出版された本を翻訳している都合、どうしても日本の精神科の診察とは違うというのもありますが、自身でも実践できそうなセルフケアの手法についても記載があるのでぜひ読んでほしい本です。
認知の歪みとは?
認知の歪みとは、**「現実を歪めて捉えてしまう思考パターン」**のことです。
本書では、以下のような10種類の認知の歪みが紹介されています。
本書では「認知の歪み」を以下のように定義してました
「いやな気分よさようなら」より引用
- 全か無か思考:ものごとを白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう
- 一般化のしすぎ:たった1つの良くない出来事があると、世の中すべてこれだ、と考える
- 心のフィルター:たった1つの良くないことにこだわって、そればかりくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう。ちょうどたった1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように
- マイナス化思考:なぜか良い出来事を無視してしまうので、日々の生活がすべてマイナスのものになってしまう
- 結論の飛躍:根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう
a.心の読みすぎ:ある人があなたに悪く反応したと早合点してしまう
b.先読みの誤り:事態は確実に悪くなる、と決めつける- 拡大解釈(破滅化)と過小評価:自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す。双眼鏡のトリックともいう
- 感情的決めつけ:自分の憂うつな感情は現実をリアルに反映している、と考える。「こう感じるんだから、それは本当のことだ」
- すべき思考:何かやろうとする時に「~すべき」「~すべきでない」と考える。あたかもそうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識を持ちやすい。他人にこれを向けると、怒りや葛藤を感じる
- レッテル貼り:極端な形の「一般化のしすぎ」である。ミスを犯した時に、どうミスを犯したかを考える代わりに自分にレッテルをを貼ってしまう。「自分は落伍者だ」他人が自分の神経を逆なでした時には「あのろくでなし!」というふうに相手にレッテルを貼ってしまう。そのレッテルは感情的で偏見に満ちている
- 個人化:何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合にも自分のせいにしてしまう
各内容について具体例は以下のようになります。
- 全か無か思考:テストで100点をとれなかった。テストはダメだった。
- 一般化のしすぎ:異性をデートに誘ったが断わられた。異性は自分とデートに行きたくないんだ
- 心のフィルター:人にからかわれた。人なんてみんなそうなんだ。
- マイナス化思考:褒められたけど、あの人はお世辞で言っているんだ
- 結論の飛躍:
a.心の読みすぎ:LINEの返信がこない。あの人に嫌われたんだ。
b.先読みの誤り:仕事を休んだ。このまま仕事にはもう行けないんだ - 拡大解釈(破滅化)と過小評価:
拡大解釈:ミスをした。これで評価は下がるだろう。
過小評価:みんなはすごいというが、誰でもできることをやっているだけだ。 - 感情的決めつけ:何もやる気がでない。だから、このまま寝ているしかないんだ。
- すべき思考:リーダーなんだから業務は知っているべきだ。だけど、あいつは何も知らない
- レッテル貼り:仕事が覚えられない。自分はもうダメなんだ。
- 個人化:部下がミスをした。自分がちゃんと見ていなかったからだ
私はこの中だと「心のフィルター」、「結論の飛躍」、「すべき思考」になりがちです。
認知行動療法でできること
認知行動療法とは、**「考え方を変えることで、行動と感情を変える」**という心理療法です。
本書では、「出来事」、「解釈」、**「感情」**の3つの要素が関係していると考えられています。
例えば、
出来事: 上司にミスを指摘され、怒られた
解釈: 自分は使えないやつだと思われている
感情: もうダメだ
このように、出来事に対するマイナスな解釈が、ネガティブな感情を生み出すのです。
認知行動療法では、この**「解釈」**を修正することで、感情を改善していきます。
トリプルカラム法:認知の歪みに気づくための方法
トリプルカラム法は、**「自動思考(自己批判的)」「認知の歪み」「合理的な反応(自己擁護的)」**の3つの欄に記入していく方法です。
- 自動思考(自己批判的): ネガティブな考えを書き出す
- 認知の歪み: 自動思考がどの歪みに該当するかを書き出す
- 合理的な反応(自己擁護的): ネガティブな考えを客観的に捉え直し、ポジティブな考えを書き出す
具体例を挙げます。
まず、紙で以下のような表を作ります。
自動思考(自己批判的) | 認知の歪み | 合理的な反応(自己擁護的) |
次に、自動思考に自己批判的な考えを記入します。
自動思考(自己批判的) | 認知の歪み | 合理的な反応(自己擁護的) |
仕事を休んだクビになるだろう |
次に、認知の歪みの定義から自動思考がどの歪みにあてはまるかを表の認知の歪みに記入します
自動思考(自己批判的) | 認知の歪み | 合理的な反応(自己擁護的) |
仕事を休んだクビになるだろう | 結論の飛躍 |
最後に合理的な反応として落ち込まない考えを書きます。
このとき、合理的な反応が思い浮かばないときは数日後に考えるか、誰かにきくといいでしょう
自動思考(自己批判的) | 認知の歪み | 合理的な反応(自己擁護的) |
仕事を休んだクビになるだろう | 結論の飛躍 | 確かに仕事を休んだ。しかし、普段は仕事をしっかりできているし、休んだことで叱られるかもしれないがすぐにクビになることはないだろう |
やっていること自体はとても単純です。
しかし、頭の中で考えるより、目に見えるようにすることで客観的にも見えるようになり、
自分の考えがなんの根拠もないものだと気づけたりします。
まとめ
「いやな気分よ、さようなら」から、自己評価の確立に役立つヒントを紹介しました。
認知行動療法やトリプルカラム法を実践することで、認知の歪みに気付き、思考の癖を改善することができます。
もちろん、一朝一夕で変わるものではありませんが、日々の努力を続けることで、自己評価を高め、より充実した生活を送ることができるでしょう。
また、ひとりだと難しいと感じるときは、以下のようなコミュニティもありますので利用してみてはいかがでしょうか?
https://u2plus.jp/
以上、なるでした!
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